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【小児科医監修】RSウイルス大流行の次、この冬はインフルエンザの大流行に警戒 !その理由と予防方法とは…?

  • 2021年11月05日公開

この冬、小児科医の先生たちが警戒しているのが「インフルエンザの大流行」です。なぜ注意が必要なのか、家庭でできる予防策について小児科医の黒澤照喜先生にお話を伺いました。

RSウイルスと同じ原理でインフルエンザが大流行する可能性が

飛沫感染するRSウイルスやインフルエンザは、新型コロナウイルスの影響で人との接触が減ったり、マスクの着用が増えたことで、2020年シーズンには流行がおきませんでした。
しかし2021年の夏は小児の間でRSウイルスが大流行し、小児科医としては「コロナよりもRSウイルスの夏」となりました。

RSウイルスが今夏に大流行した理由として、昨シーズンに流行しなかったため免疫(抗体)を持つ子どもが少なかったことが推測されます。単純に言えば、昨年の流行がなかったぶん、例年の2倍の患者が発生したということです。

インフルエンザも昨シーズン流行しなかったため、集団免疫が低下していると想像されます。したがって、ひとたびウイルスが持ち込まれると大流行が起きる恐れがあると思います。

インフルエンザウイルスは変異が激しく毎年どんな型が流行るのかは検討がつきません。しかし型が違ってもかかったことがある人は、抗体が上がりやすいという特徴(交差性)があります。このため、RSウイルスほどの流行はないかもしれませんが、注意が必要です。

集団生活をしているなら予防接種を !

小児の場合には、年齢が低いほど 病気に対する抵抗力も弱いため要注意です。また園生活や学校生活を送っている子は、そのぶん人との接触が多くなるので感染リスクが高まります 。

RSウイルスも小学生では、免疫を持っていることも多いため鼻かぜ程度なのですが、それが家庭内できょうだいにうつってしまい、乳児が重症化するケースが目立ちました。
インフルエンザも小学生など少し大きい子から流行が始まり、家庭内で小さい子にうつってしまうことがあります。

インフルエンザのワクチン接種を受けられない子はいる?

インフルエンザのワクチン接種は、感染後に発症する可能性を低減させる効果と、発症した場合の重症化を防止する効果があるとされています。

しかし、6カ月未満の乳児では接種しても免疫が十分につかないため、ワクチン接種の対象ではありません。6カ月以上1歳未満も接種してもあまり免疫がつきづらいという報告もあります。これらの時期は特に家族内感染を防ぐために同居家族も接種することが大切です。

生後6カ月~12歳までは2回接種しますが、年齢が高いほど免疫がつくことが知られているため医療機関によっては12歳以下でも1回接種を勧められることがあります。

以前は卵(鶏卵)アレルギーの子どもは、インフルエンザワクチン接種によるアレルギーが起こることが知られていました。しかし現在ではワクチンから卵成分はかなり除去されているため、卵を完全除去している子ども以外はほぼ問題なく接種できます

これは、ごく少量であっても卵を食べられるなら、ワクチンに含まれるアレルギー成分はそれよりも少ないため、接種してもほぼ安全といえるからです。詳しくはかかりつけの先生や接種医に相談してください。

コロナ対策はインフルエンザにも有効

インフルエンザは新型コロナウイルス同様に飛沫感染・接触感染するウイルスです。したがって、3密回避といったソーシャルディスタンスの確保、マスク・手洗いはインフルエンザウイルスにも有効です。
今シーズンも新型コロナウイルスへの対応が守られて、インフルエンザも流行しなければいいなと思います。

家庭内で熱を出した人がいる場合には、感染のリスクを考慮してできれば部屋を分けてマスクをつけておくと安心。ただし2歳以下の子どもは、窒息の恐れもあるのでつけないようにしましょう。周囲の人もマスク・手洗いをいつも以上にていねいに行いましょう。

インフルエンザに感染しない、しても重症化しないためには日々の健康も大切です。早寝早起き、バランスの良い食事、適度な運動はインフルエンザ予防につながります。風邪気味の時には、こじらせたりほかの人にうつさないように外出・登園・旅行・帰省などは控えましょう。

どんな感染症であっても言えることですが、体調不良が治りきっていない状態で登園しないことも重要です。私自身も親の立場としては悩むところでもありますが…。「行けるかな?」と悩む日には、思い切ってプラス1日休むことが、結局は新たな感染症などをもらいにくく、効果的といえるでしょう。

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