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今期ドラマ満足度首位の呼び声も!【場外乱闘も勃発】なぜか涙が出る「だが、情熱はある」が面白い!【妄想爆発!ジャニオタ推し活ガイド57】

  • 2023年06月18日公開

こんにちは、くふうLive!ジャニーズ担当のエンタメライター・柚月裕実です。

今年の4月9日からスタートしたドラマ「だが、情熱はある」(日本テレビ系)が再来週、6月25日に最終回を迎えます。この作品はお笑い芸人コンビ、オードリーの若林正恭さんとと南海キャンディーズの山里亮太さんの半生を描いた作品で、2人をジャニーズのアイドルが演じていることでも話題を集めています。

推し活ガイド第57回は、ドラマ「だが、情熱はある」の面白さについて。“ほぼ実話”というだけに熱くて、漫才を見ているとなんだかほろりとくるのです。

ジャニーズW主演でお笑い芸人を演じる「だが、情熱はある」


人気お笑い芸人の半生を描いた作品という「だが、情熱はある」。それだけでも興味をそそられますが、W主演を務めるKing & Princeの髙橋海人さん、SixTONESの森本慎太郎さんの演技力の高さにも引き付けられます。それぞれの家族も個性的だし、コンビを組む相方も!

春日俊彰さんを演じる戸塚純貴さん、しずちゃんこと山崎静代さんを演じる富田望生さんもW主演の2人に負けることなく、個性をそのままインストールしたかのような再現度の高さです。



実在する、それも現役お笑い芸人の半生を描いただけにとにかくリアル。以前、両コンビがそれぞれ出演した『金曜日のスマイルたちへ』(TBS系)でも、エピソードに基づいて再現ドラマが放送されましたが、その連続ドラマ版といいますか、2人の軌跡をさらに濃く、心情をより細かく描いた作品です。

たとえ熱狂的なファンではなくても、馴染みのある両コンビの“ほぼ実話”はきっとハマるはず。冒頭で「このドラマは友情物語でもサクセスストーリーでもない、そしてほとんどの人において全く参考にはならない」と水卜麻美アナウンサーのナレーションが入ります。いちドラマファンからしたら「謙遜しなさんな」と言いたい。

大学を卒業して就職するのが一般的な進路だとすれば、芸人という“普通”ではない道を選んだ2人。すぐにブレイクすればまた違った人生だったかもしれないけれど、ブレイクまでの道のりは長くて険しい。

鳴かず飛ばずの時代が続き、「誰にも認められない」「無視された」とさすがに弱音を吐いた若林さん。一方、相方が変わったり、妬み嫉みの感情をガソリンにしてきた山里さん。しずちゃんとコンビが組めて軌道に乗ったはいいが、今度はコンビ内格差に嫉妬心をこじらせていく。

学生でも社会人でも、思うように評価されなくて落ち込んだり、横並びでスタートしたはずなのに、人よりも努力をしたはずなのになぜか認められない。そんな似たような経験を持つ人も少なくないはず。他人ごととは思えないからこそ、彼らの奮闘を応援したくなるし、同じように胸が痛くなる……。

漫才の迫力

高校時代に芸人を目指すところから描かれ、回が進むにつれ芸人ならではのシーンが増えていきます。中でも注目を集めたのが漫才。

第7話で放送された森本さんと富田さんが演じる南海キャンディーズ「M-1グランプリ2004」の漫才


第9話で放送の髙橋さんと戸塚さんによる、約4分間のフル尺漫才。 オードリーが認められた「M-1グランプリ2008敗者復活戦」を再現。


ドラマに登場する漫才シーンとは思えない、本物さながらの空気感に圧倒されます。

ドラマ、ラジオ、著書…楽しみ広がる

ドラマの展開に胸が熱くなるのに加えて、+αの楽しみがあるのも本作をさらに面白くしています。

オードリーは「オードリーのオールナイトニッポン」(ニッポン放送)、山里さんは「水曜JUNK 山里亮太の不毛な議論」(TBSラジオ)、そして山里さんを演じる森本慎太郎さんも「SixTONESのオールナイトニッポン」(ニッポン放送/※メインは田中樹さん+週替わりメンバー)と、ラジオ番組もドラマの面白さを加速させます。

放送開始前からそれぞれの番組で言及。森本さんは役作りに対して熱い思いをぶつけたり、時には差し入れを巡って思わぬ展開があったり……。

5月13日放送の「SixTONESのオールナイトニッポン」に森本さんが出演し、山里から撮影現場の差し入れに欲しいものを探ってほしいと依頼を受けたと明かしていました。

若林さんが現場にカレーパンを差し入れたことが話題になり、それを知った山里さんが森本さんに調査を依頼。共演者にリサーチした上で報告したのだそう。

森本さんは役を通して山里さんのことを知っているがゆえに、「初めてこの遠回しに、自分は多分現場に“僕、考えました”で山里さん持っていくのよ。でも裏では探りを入れてるみたいなのがあるわけじゃない。バレないように、欲しいものを狙っていきますみたいな。その陰湿さを初めてくらって、ああこれか」と、感心した様子で語っていました。

森本さんは、ドラマスタッフも放送を聴いているので期待が高まると続け、最後に「山里さん、ここまでハードル上げて申し訳ないけどマジで期待しちゃってます!っていうのがあるよね」とコメント。

放送を聞いていた山里さんは、翌日にTwitterで「やってくれたな…森本慎太郎…」と投稿。さらには山里さんのラジオ番組に森本さんがゲスト出演するなど、“場外”でのやりとりも面白いのです。

視聴者の印象と、当人の心境

もうひとつ印象的だったのが、6月10日放送の「オードリーのオールナイトニッポン」(ニッポン放送)でのこと。

若林さんは「ドラマのことでちょうど気になってるのが、なんで俺は春日にこの言葉で救われたって、一個も救われた言葉が出てこないのに。なぜあのドラマを観た人は、若林は春日が相方で救われたんだろうなって言うのだろうかを一回ちゃんと考えようと思って、暇だし」

思いがけず空いてしまった時間を使って、ドラマについて考えたと切りだします。

「俺が言うカットで、海人くんの顔で救われたって表情のカットないんだよ。なんか伝わらねぇなって思って帰るのに、なんでみんな“救われた、救われた”って勝手に。現に俺が救われたって思ってねぇじゃんって思って。なんなんそれって思って」

そこには視聴者の主観や希望が入っていると分析し「“ポジティブな人がタイプ”ですと一緒だなって結論になった」と結論づけていました。「『ネガティブな人が嫌いです、ポジティブな人が好きです』くらいの話でしたねぇな。理由が、見てて気持ちいいくらいの話だな」と。

その間、春日さんは「ほお」「なるへそ」と相槌を打ちながら聴いていたのもドラマファンとしてはたまらなく、春日さんらしい反応に歓喜。(そりゃそうなんだけど…)

若林さんは、具体的に何話のどのシーンとまでは言及していなかったものの、放送のタイミング的に、第9話のことではないかと予想。ズレ漫才に手ごたえを感じ、これで勝負に出る!と意気込んだものの撃沈。激しく落ち込む若林さんに対し、飄々とした春日さんのシーンも当てはまりそうです。

視聴者が抱いた感想と、若林さんの当時の心境やドラマの感想とにズレが生じたことで、より一層面白いものに。人の気持ちはそう簡単にわかるものじゃない……。

若林さんは、ドラマについて、「衝撃映像で海外のトラックのタイヤが外れる映像を見ている感じ 「3カ月ギプスをしてる感じ」と、胸の痛みが伝わってくる表現で心境を語っていました。

水曜深夜に山里さんのラジオ、土曜深夜には森本さんが出演すればSixTONESのラジオ、続けてオードリーのラジオが放送され、日曜のドラマの放送を挟んで、月曜朝には山里さんがMCを務める「DayDay.」(日本テレビ系)、火曜深夜には若林さんと水卜麻美アナが出演する「午前0時の森」……という具合に番組が続きます。本人だからこそ語れる、当時の心境やドラマの感想が聞けることもあるので逃せない。レコーダーの容量不足、そして寝不足!

そして、ドラマのベースになっている若林さん、山里さんのエッセイ本はもちろん、オードリー、そして山里さんとも親交のある芸人で放送作家、トイレ・掃除の専門家、ラジオパーソナリティーとしても活動する佐藤満春さんの著書「スターにはなれませんでした」(KADOKAWA)もおすすめ。 鳴かず飛ばずの頃を知る人からの言葉にうるり、そして春日さんのカッコいいエピソードにもうるり……。

さて、第1話のラストで描かれた、若林さん&山里さんのライブ『たりないふたり』。第10話でようやく2人が出会い、2人のステージが実現します。

芸人としてブレイクするまでの苦悩。軌道に乗ったら乗ったでまた一難。笑って泣いて、それでも芸人を本気で辞めようとはしない2人。解散ライブを終えた直後、若林さんが倒れてしまうのですが……。あと2話でどう展開するのか、まだまだ険しい道が続きそうです。

最終回まであと2回。見逃し配信もあるのでまだギリ間に合う!「だが、情熱はある」の世界へいざ!

(イラスト/大窪史乃)

この記事を書いた人
編集/ライター
柚月裕実

エンタメ編集/ライター。 ジャニーズのアイドルを応援して25年超。 アイドルがサングラスを外しただけで泣きます。

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