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【田舎暮らし連載】オダジーの、ふらの暮らし応援記 第2回:先輩フラニストの”ナマの声”(1)バリアフリーの宿&カフェ「いつか富良野へ」増田直子オーナー

  • 2021年03月22日更新

「オダジーの、ふらの暮らし応援記」の連載を始めるにあたり、すでに富良野移住を果たしている先輩フラニストの“ナマの声”をお届けしたいと思っていました。今、富良野をおもしろくしている大きな要素の一つに、移住した人たちの活躍があると感じているからです。
例えば彼らは、地元の人の発想にはなかった、街の中心部から少し離れた場所にカフェやレストラン、ペンションなどをオープンさせています。商売的、生活的には少し不利なように思えますが、より富良野らしいロケーションの中で、それぞれの夢を実現させようとしているようです。
“ナマの声”第1弾は、千葉県から移住してバリアフリーの宿&カフェ「いつか富良野へ」を開業された、増田直子さんです。早速、増田さんの経歴や移住のきっかけなどを聞いてみましょう!

きっかけは“三角屋根”のプリンスホテル

富良野のラベンダー畑――簡単なプロフィールを教えてください。
増田:1960年東京都生まれ、育ちは神奈川県です。1984年に結婚し千葉へ。夫と3人の息子がいます。

――ペンションを開業する前は、何をされていましたか?
増田:短大を卒業後はOLとして働いていました。父親がパーキンス病になり、自分も看護をしたいと2000年に福祉関係の仕事に就きました。まずヘルパー2級を取得し、その後、介護福祉士、そして、ケアマネージャーになりました。富良野に移住してからも、ペンション開業までケアマネージャーの仕事をしていました。

――富良野との出会いを教えてください。
増田:1980年頃、当時学生だったと思いますが、友だち3人との北海道旅行で初めて富良野を訪れました。しかし旅のメインは層雲峡や阿寒湖で、富良野はただの通過点。富良野プリンスホテルに1泊しただけでした。なので“三角屋根”のプリンスホテルだけがすごく印象に残りました。
その後、1984年の新婚旅行で再び北海道を訪れました。その時は富良野に2泊程したので、テニスを楽しんだり、スキー場があることも知りました。芝桜が咲いており、新たに「花の綺麗なところ」という印象も持ちました。

――富良野移住の決め手は何ですか?
増田:2008年の夏、夫の勤続30年記念旅行で3度目の富良野を訪れました。その時から移住したいと強く思うようになり、以後3ヶ月に1回は富良野を訪れるようになりました。そして2009年秋に、東京ビッグサイトで開催された「北海道暮らしフェア」に参加しました。富良野市のブースでは市役所の方や、ふらの市移住促進協議会の会員でペンションを経営されている方のお話を聞くことができ、富良野移住への決意が固まりました。ペンションのオーナーさんからは、その後もメールで色々なことを教えていただいて、とても有り難かったです。

「いつか富良野へ」!富良野にいられるだけで幸せだった。

インタビュー中の増田直子さん――「北海道暮らしフェア」に参加し、その後「お試し暮らし住宅」に住むことになりますね。
増田:私はノリノリでしたが、夫はその気がなく、「私1人で行くから」という感じでした。ふらの市移住促進協議会のブログ「ふらのに住んだらイイジャナイカ♪」を見ていると、そのブログの中で移住者の方々が交流を持たれており、自分も仲間に入りたいと思っていました。ブログに参加するようになってからは、市役所や移住者、移住希望者の方々とコメントのやりとりをしながら仲を深め、2010年1月から「いつか富良野へ」のタイトルで自分もブログを始めました。実はこのタイトルをそのままペンションの名前にしました。
また2010年2月、ふらの市移住促進協議会が企画したブログ仲間の「オフ会」に参加したことによって、移住に向けて弾みがついたと思います。
その後もずっと、ブログで「お試し暮らし住宅」に住んでいる先輩の様子を見て、「こんな生活ができるんだ」と想像していました。2011年10月27日、満を持して、東山地区にあった「お試し暮らし住宅」での生活を始めました。

――「お試し暮らし住宅」の住環境はどうでしたか?
増田:バーンと綺麗な景色が広がっているわけでもないし、わりと不便な場所でした。でも私は富良野で暮らせるだけで幸せでしたし、朝の何気ない景色にも感激していました。わざわざ市街地から離れた東山を選んで、本当に良かったと思いました。

仕事を探す方は、「自分ができること」を持っていくことを、オススメします!

「いつか富良野へ」の庭にて――仕事はいつ頃から始めましたか?
増田:私は仕事を決めてから移住をし、東山の「お試し暮らし住宅」に入って1週間後には、ケアマネージャーとして働き始めました。仕事があるから、安心して富良野に来られたと思います。移住希望の方に少しアドバイスするとしたら、「仕事ありませんか?」というスタンスで来るのではなく、「富良野で自分ができること」をきちんと持っていた方がいいと思います。
それと、仕事を選ばず、「何でもやってみたい」と前向きに考えれば、仕事はいっぱいあると思います。
また都会にいる間に、移住後にやりたいことのために、資格を取るなり、知識を深めるなりしておくべきだと思います。都会には学校やセミナーなどが豊富にあるので、圧倒的に有利だと思います。

――雪深い東山に住み、初めての冬はどうでしたか?
増田:富良野市街の仕事場まで、車で30分以上かかっていましたが、自分で決めた仕事でしたし、誰にも迷惑をかけずに自力で通っていました。冬が寒くて雪かきが大変なのは当たり前。富良野に移住しようと決心したときから覚悟は出来ていたので、大変だとも思いませんでした。

お年寄りや障害を持った方が、「気兼ねなく泊まれるペンション」を。

バリアフリーの宿&カフェ「いつか富良野へ」

――バリアフリーのペンションは、いつ頃からやろうと思っていましたか?
増田:もともと、「いつか富良野に来てペンションをやりたいなぁ」と思っていました。福祉関係の仕事をしていると、旅行に行きたくても行けないというお年寄りや障害をもった方の話をたくさん耳にしました。ペンションをやるのだったら、そういう方が気兼ねなく泊まれるペンションにしたいと思っていました。

――そして2014年12月20日、下御料(しもごりょう)地区にバリアフリーの宿&カフェ「いつか富良野へ」をオープンするのですね。お客様の反応はどうでしたか?
増田:オーナーが、福祉関係の仕事にどっぷりつかっていた私なので、お客様は安心感があるようです。先日、車椅子のお母様がご子息夫婦とお嬢様の4人で宿泊されました。お嬢様が「お母さんが夜中にトイレに何回も起きちゃうんです」と恐縮して話されたのですが、私は「気になさらなくてもいいですよ」と答えました。翌朝、「どうでしたか?」と尋ねると、「昨日、1回も起きずにぐっすり眠っていました。安心して眠れたようです」と。それを聞いて、なによりの言葉だなと、とても嬉しく思いました。
もちろん、私も障害を持った方のお手伝いができますが、ご要望があれば、私が勤めていた介護の会社の一時的なサポートを受けることもできます。介護保険を使わない自由契約ですが、それをいつでも頼めるようにしています。

――「いつか富良野へ」は森の中にありますが、環境や建物にはこだわりましたか?
増田:自然の中に溶け込むような、手作り感のある建物に憧れていました。最初は、今流行っているセルフビルドのように、古い家を少し壊して、後は自分で色々探してきてくっ付けて…というようなことをしようと、老節布(ろうせっぷ)に空き家を見つけました。実際、主人がひと夏かけてその古い空き家を解体しましたが、結局土地の取得ができず、あきらめることになりました。紆余曲折はありましたが、今になってみるとここにペンションを建てることができて良かったと思っています。

ここに住んでいると、本当におもしろい。

「いつか富良野へ」の玄関にて

――ご主人のスタンスをお聞きしてもいいですか?
増田:当初、主人の頭に「移住」はほとんどなく、私が1人突っ走っていました。移住の準備のために10日間も家を留守にした時も、いざ「お試し暮らし住宅」に入ることになった時も、反対の言葉はありませんでした。なんとなく、認めてくれているという感覚はありました。私は軽いノリで「行ってきま~す」と出てきたのですが、後から人に聞いた話では、「本当に、行っちまったぁ~」と嘆いていたそうです。
それから半年後、早期退職を勝手に決め、主人も富良野に来ちゃいました。1年程こちらにいましたが、再就職の話があり今は千葉に戻りました。しかし、千葉の持ち家は退職の際に売ってしまったので、ここが子どもたちの実家です。私の兄弟たちもまた、母が3ヶ月間住んだことでここが実家になりました。

――私の感覚では、見知らぬ土地への移住は、「一念発起」というイメージがあったのですが、増田さんは全く違いますね。
増田:そうそう、私は一大決心して来た感覚はなかったです。でも、帰る気持ちもまったくなく、はじめから永住する気でいました。富良野の人々の濃い繋がりが心地良く、自然な流れで住みつきました。「こんなことやるからおいでよ」と言っていただくことが多く、おもしろいことが次々と起こる。ワクワク感があって、ここに住んでいると本当におもしろいです。

森の木々を眺めながら直子さん自慢の手作り料理をいただく時間は、富良野でもそうそう体験できない“優雅”な時間でした。富良野ファンが高じて移住をした直子さん。今度は直子さんが新たな富良野ファンをいっぱい増やしていくことでしょう。

※バリアフリーの宿&カフェ「いつか富良野へ」
〒076-0017
富良野市下御料
TEL&FAX 0167-22-2075
E-mail:heartfull@ituka-furano-e.com
ホームページはこちら
ブログ「富良野・下御料の林から」はこちら

【田舎暮らし連載】オダジーの、ふらの暮らし応援記シリーズ

第1回:富良野ってどんなところ?
(1)へそとスキーとワインのまち富良野
(2)美しすぎる!四季折々の富良野
(3)富良野の移住者とウマいもの
第2回:先輩フラニストの“ナマの声”
(1)バリアフリーの宿&カフェ「いつか富良野へ」増田直子オーナー
第3回:オダジーが聞く!「富良野市の取り組み」
(1)ふらの市移住促進協議会・渡邊克昌さん×「いつか富良野へ」オーナー・増田直子さん

宅地建物取引士であるオダジーは、富良野やその近辺で田舎暮らしをお考えの方に、居住用物件や店舗用物件をご紹介できます。オダジーおすすめ物件はこちら
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この記事を書いた人
オダジー

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